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 去年の10月に石垣島へ取材のために訪れた。前半はマンタスクランブルなど順調に撮影は進んたが、後半は天候が荒れ、計画していた石垣島北部のサンゴ礁などを撮影することが出来なかった。ダイビングボートが出せなかったため、僕は借りていたレンタカーで石垣島の北部を回ることにした。現地サービス・マリンメイトのスタッフに撮影ポイントなどを聞き、鈍よりした空の下、陸上カメラだけを積んで車を走らせた。サトウキビ畑が揺れている。緑の小高い山、そこへ向う1本道。すべてが優しい風に包まれて、北部の原風景が存在していた。「ここ好きかもしれない・・・」。聞いていた撮影マル秘ポイントへ向う。360°見渡すことのできるパノラマビューの山頂。そこからの眺望が、ガラパゴスのバルトロメ島の代表的なある景色によく似ていた。「石垣島、やるじゃん!」となぜが自慢げになる。

  そして、お昼ご飯。聞いていた新垣食堂は、国道沿いでなので、直ぐに見つかった。暖簾をくぐると、若いカップルが言葉少なく、黙々とどんぶりに向っていた。僕も牛そば、500円を注文。どかっとのった石垣牛のボリュームを前に、喰らいつきたい衝動を抑え、まずは撮影。カップルが少しだけ、こちらを見たが、すぐに、どんぶりに視線を戻した。僕もカメラをすぐ脇に置き、口一杯にソバと肉を頬張った。「美味かった!」

 

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copyright Yasuaki Kagii