取材 2004713日〜717
写真・文:   峯水 亮
取材協力:24゜NORTH
んみゃ〜ち 宮古へ

 1年ぶりの宮古島。タラップを降りるとすぐ、南国の日差しと本土とは違う湿りけのある空気に包まれる。そう、こういう瞬間がまさに沖縄に来たんだなと感じる瞬間。心の中で旅への期待がいっそう膨らむ。 この季節の沖縄は、言うまでも無く一年で最も美しい。その一方、運が悪ければ台風の直撃に出会うことさえある。しかし、運良く晴天に恵まれた人は、空の青さと真っ白い雲のコントラストが似合う美しい島々の風景に一生魅了されるのだ。今回はその中でも夏らしい、夏ならではの、夏にしか撮れない風景にこだわって旅してみようと思った。

八重干瀬(やびじ)
 今回の最大の目的は宮古島の北側に南北10kmに渡って広がる広大なサンゴ礁「八重干瀬」を潜ること。八重干瀬は南風が吹くこの季節にチャンスが増える。数年前に「やびじ」と読むことに統一されたそうだが、私には「やえびせ」の方が馴染み深い。朝900にサービスへ集合。ワゴン車に機材を積んでいざ港へ(ボート乗り場まで車で2分・歩いてもいける)八重干瀬までは平良港から約4060分ほど。途中、池間大橋の下をくぐると、しばらくして所々エメラルドグリーンやサファイアブルーに輝く海面が見えてきた。否が応でも期待が膨らむ。一本目はホワイトシティー、八重干瀬と言っても潜るポイントは沢山ある。その中でも夏の代表的ポイントの一つといえば、ホワイトシティー。ここはサンゴが創り出したパウダースノーの砂が一面に広がり、離れ根に群らがるスカシテンジクダイの風景に癒されるまったり系。砂地に映る自分の影を眺めながらただひたすら浮遊しているだけでも気持ちいい。インターバルの間に水路の周りのサンゴ礁を覗いてみた。夏の照りつく太陽をいっぱいに浴びたサンゴたちの姿は普段より一層輝いて見える。二本目はプロヴィデンス。八重干瀬の中でも少しイメージの違う無数のハナダイ達に囲まれるポイント。透明度も高く、強い太陽光が強烈にマスクの中に飛び込んでくる。ハナヤサイサンゴの生える岩盤にイソバナが色を沿え、更に鮮やかなハナダイが乱舞する。オーバーハングした根の裏側には無数のイソバナが生え、クダゴンベや暗がり好きなウミウシ達もいた。

ホワイトシティー

ホワイトシティー

ホワイトシティー

八重干瀬のサンゴたち

ホワイトシティー

プロヴィデンス
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伊良部島
 朝起きると今日は予想以上に南風が強かった、さすがの八重干瀬もこれではきついということで、急遽予定変更して、伊良部島へ行くことになった。一本目は「クロスホール」、横穴から入って中をくぐり、最後は縦に開いたホールから天井の穴へと抜けていくポイント。この時期の穴はやや白濁していて、透明度の安定する秋頃の穴ほどスカンと抜けていることは少ないが、それでも真夏の太陽が天井の隙間から入ると、その美しさについつい見とれて長居してしまう。二本目は「ワープホール〜L字アーチ」。ワープホールの穴の中ではアカマツカサが群れ、こういう穴の中にすむ、トマリヒイロテンジクダイやアカテンイロウミウシなど、綺麗なウミウシ達も見ることができる。ちなみにトマリヒイロテンジクダイという名は第1発見者の24NORTHオーナー、渡真利さんの名前にちなんで名づけられた。ワープホールを抜けるとそこはL字アーチ。橋のように架かったアーチが印象的だった。こういった光景を海の中で見るたびに、自然が創り出す技にいつも不思議を感じる。

クロスホール

クロスホール

L字アーチ
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伊良部島 穴の生き物

アカテンイロウミウシ

ハワイアンケーブシュリンプ

トマリヒイロテンジクダイ
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宮古の西岸巡り
 今回は陸もいろいろ見たかったので、4日目は本格的なダイビングはお休みにして、宮古の西岸を周ってみた。近いところでは砂山ビーチ、地元や観光客にも有名な海水浴場だ。スノーケリングの3点セットと重い水中カメラ&陸カメラを持って、砂の山を上り下りするのは困難だったが、海の中にドボンと浸かってしまえば何のことはない。白砂の上をコバンアジが群れて泳いでいたりして、一気に癒されるのだ。その後、行ったのが下地町の前浜ビーチと来間島、来間島はサトウキビ畑と地元の人しか行かないような隠れたビーチがあるのどかな島、市街地のある宮古島とは風景を一掃する。この島には360度周囲を見渡せる竜宮城展望台というのがあり、宮古島を海越しに望むことができる。また途中に渡る来間大橋から眺める海の色も美しかった。
砂山ビーチ
24NORTHから車で5分ほどのところにある砂山ビーチは、海水浴やスノーケリングポイントとしても有名。名前の通り、海の砂でできた山を一つ越えると、そこには美しい風景が広がる。海に入るとコバンアジが泳いでいたりして、南の島の定番風景を撮りたい方にもお勧め。
来間島から見た来間大橋と宮古
下地町から、対岸の来間島に渡ることができる来間大橋。島に渡る途中、目下に見える海の色が美しい。島の東岸にある竜宮城展望台に行くと、360度のパノラマ風景を楽しむことができる。
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新城〜東平安名崎
 最終日、帰りの飛行機を夕方の便にしておいたので、半日程の余裕がある。朝から車で島の東側に繰り出してみた。目的は新城(アラグスク)を通り東平安名崎を見るためだ。このあたりの海岸線は特に美しく、景勝地としても有名。コバルトブルーの海と島の緑が旅人の心を癒してくれる。仕事柄いつも海中の取材が多い私にとって、風景や人と触れ合う旅には人一倍欲求がある。気ままに車をおりて、その時々に心を奪われる風景を写真に収めることができる旅は幸せだ。時には島人と何気ない会話を交わすことも私の旅のエッセンスとなり、大きな思い出へとなった。
東平安名崎(ヒガシヘンナザキ)
 少し足を伸ばして景色の良いところに行ってみたい方にお勧めするのが、東平安名崎。レンタカーで島の最東端に約40分程走らせると、約2kmに渡って細長い岬が続く。太平洋と東シナ海を一望できる、沖縄でも有名な景勝地だ。
写真を撮るなら、時間を調べて満潮の時に行った方が良い。海岸線がよりいっそう美しく見えるはず。(この時はちょうど大潮の干潮時だったので、海岸線が浮き立たずいまいちだった)
なーくんちゅ(宮古の人)
 海辺で出会った海人のおじさんは、沖縄の夏の風物詩、スク(アイゴの子)を探しに来ていた。「スクの群れが海にやって来ると、海の色が変わるさぁ。」それを高台の上から見ていて、スクが来たら一目散に海に下りて漁をするらしい。獲れたスクは1ヶ月ほど塩漬けにすると魚の臭みが採れて、ちょうど塩辛みたいな感じになる。しかし、濃厚なものを楽しみたければ1年ほど漬け込むそうだ。スクやおじさんの息子さん、内地の話などをしていたら、あっという間に時間が過ぎた。人との触れ合いも旅の醍醐味。
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サービス紹介 今回お世話になった現地サービス24NORTHさん
24NORTH(ニイ・ヨン・ノース)
 ダイビング業界の中で、知らない人はいない程の老舗で、オーナーの渡真利さんはセーラーとしてヨット界でも有名。日本のダイビングサービスでは珍しく、
56フィートのカタマランヨット「TIDA」を保有し、常時45泊のダイブクルーズ(人気のため完全予約制)も行っている。現在は女性店長むらかみさんを中心に、頼もしい男女スタッフが勢ぞろい。とにかく年齢にかかわらず皆が若くて元気で気持ちいい。24NORTHの良いところは、ヨットをイメージさせるようなお店のセンスの良さもあるが、本格的な講習に使えるダイビングプールを備える他、なんと言ってもサービスに併設されたコンドミニアムが使い良くって、ダイビング前後の移動がないので楽。ダイビング後も広々とした敷地内を自分の庭のようにくつろげるフリーな点もいい。
906-0008 沖縄県平良市荷川取220-5  TEL: 0980-72-3107 FAX: 0980-72-8353
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お勧めの宿泊先 24゜NORTH コンドミニアム
 サービスのすぐ隣にあるコンドミニアムは、使い勝手もよくとても便利。仲間同士や、カップルで利用しても十分にプライベートを維持できる。設備も充実していてキッチン(冷蔵庫・電子レンジ・珈琲メーカー・ 炊飯器・食器など)バストイレ付きなので、まるで自宅のように使えるほか、シャンプーやボディソープ、ドライヤーなどももちろんある。夜は地の食材をスーパーで買って自分達で料理するもヨシ。もちろん、市街地へ繰り出して好みの店に繰り出すも自由。
コンドミニアムの室内 コンドミニアムのキッチン
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