あの光景をもう一度!


 

 今から6年ほど前まで、水納島のリーフは見事なサンゴに覆われていた。砂地のポイントをゆっくり潜った後、リーフ沿いのサンゴの撮影をするのが楽しみの一つだった。残りのタンクで潜ることもあれば、フィン、マスクを持ってビーチから泳いでいくこともあった。一見同じように見えるサンゴ礁も場所によって大きな違いがある。自分のお気に入りの場所を求めて1時間、2時間とと泳ぎ回ったこともあった。
 ところが1998年に起こった大規模なサンゴの白化現象により、リーフのサンゴは壊滅的なダメージを受けた。サンゴは体内にいる褐虫藻から栄養をもらって生きている。この褐虫藻が海水温の上昇により、体外に抜け出してしまう。褐虫藻のいなくなったサンゴの色彩は真っ白に変化する。これがサンゴの白化現象と言われる。白化したサンゴの上には藻類が付着し、見るも無残な姿へと変わっていった。自然の驚異と言ってしまえばそれまでだがしばらく愕然としながら死滅したサンゴを眺めていた事を覚えている。
 それから6年の月日が流れ、数センチほどのサンゴをあちこちで見かけるようになっている。サンゴは成長の早いものでは1ヶ月で数センチ成長すると言う。再び水納島のリーフがサンゴに覆われる日が待ち遠しい。そのときはフィン、マスク、カメラを持ってお気に入りのサンゴを探しに行こうと思う。



上1:リーフのサンゴ礁
北側にあるリーフは足の踏み場もないほどのサンゴ礁が広がっていた。このエリアは特にテーブルサンゴが多かった。

上2:リーフのサンゴ礁
水深18mのドロップオフの壁で撮影。瀬底島ではこんな浅場でみることができた。

左:ユビエダハマサンゴ
水面下はユビエダハマサンゴの群生。まわりにはトゲチョウチョウウオやスズメダイなどが泳いでいた。





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