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今年の3月初旬、僕は初めて久米島を訪れた。
あまりにも有名な冬のザトウクジラを撮影の第一目標にし、水中から陸上まで久米島のおいしい所をトコトン撮って回ろうといった具合だ。
以前から久米島は生物層が豊かで、そうとうに面白い海であるという話を色々な人から聞いていたので、ヤル気は満々な僕。
去年この時期に黒島に取材に行った時は、かなり暑かったことを思い出し、着替えはやけに薄いシャツばかりをケースに詰め込み、ウキウキ気分で寒波厳しい東京を飛び立った。
「どんなトコかな?何が撮れるのかな?いよ〜しやるぞぉ!」
久米島空港に到着。
「あれ、、?さ、寒いっす、、。」
まぁいくら沖縄といってもさすがに冬だからこんな日もあるさ、今日は
たまたま曇りだし、これで天気が回復してくればバッチリでしょう!
クジラもバンバン跳んでくれるさ!うん。大丈夫ダイジョブ!
なんの根拠もない必殺の超プラス思考が早くも炸裂。
早速今回の取材を受け入れてくれた「ダイブエスティバン」へ移動し、
スタッフ陣に挨拶を済ませ、明日からの撮影の打ち合わせにかかる。
とりあえず久米島の海中の雰囲気を出せるようなカットを押さえ、陸上
の景勝地などを撮り、天気海況をみてクジラを撮影しに行くということに。
チーフガイドの塩入氏の話では、この時期はクジラがあまりにも話題に
なりすぎてしまうが、ウミウシや甲殻類などのマクロ生物が多く、ハンマー
ヘッドやマンタの求愛なども頻繁に見られるという。
「おぉ〜。大物から小物まで凄い盛り沢山ですね!!今回は結構期間も
長いので、それ全部狙って行きたいです!宜しくお願いします。」