沖永良部島 海洋写真家 杉森雄幸さんからのレポート(2008/2)

 昨年4月に引き続き、今年の1月、私は沖永良部島を訪れた。前回の取材で私はどうしてもフィルムに収めたいと願っていた被写体があった"ギンガメアジの群れだ"。シードリーム沖永良部のショップ内で流れていたビデオには数千匹で渦を巻くギンガメアジの姿が鮮明に映し出されていたのだ。ビデオの映像はスタッフが撮影したものだと聞き、このポイントについて詳しく聞いてみると、ギンガメアジのシーズンは12月後半から5月で、水温が下がったほうが浅い水深で見ることができるという。あれから9ヶ月、いよいよこの目でギンガメアジの姿を目にすることができるかもしれない。
島の南側にある港から、ボートに乗りこみ目指すのはギンガメアジの群れ。このポイント、正式にはサンタの贈り物といい、シードリーム沖永良部の東さんが12月25日に偶然発見したことから名づけられている。ポイントまではわずか10分程度の距離にあり、島の南側に位置しているため北風にも強い。ベストシーズンの冬から春にかけてこのポイントに潜ることができないことはほとんどない。

ボートがアンカーリングされると、はやる気持ちを抑え、海中へ身を沈めて行った。水中では目の間に広がる岩礁のダイナミックな地形が手に取るようにわかる。透明度がいいのだ、ゆうに30mを超えているだろう。海底に辿りつくと、ガイドに続いて水深18mの根に移動する。巨大な影が中層に浮かび、次第にそれが鮮明になる、"ギンガメアジの群れだ"。ビデオで見た映像をはるかに凌ぐ光景が目の前で現実に起こっている。数千の魚群が次々と形を変え、ダイバーの数メートル先を漂っている。これこそが私が求めていたものだ。3日間の滞在中、サンタの贈り物へは毎日潜ることができた。そしてギンガメアジとの遭遇率は100%。シードリームの東さんによると群れの大きさはまだ大きくなるのではないかと言う。ギンガメアジのシーズンはまだまだ続く、今年の初ダイブにギンガメアジに撒かれみてはいかがだろう。

 ps ギンガメアジのシーズンが盛り上がる3月にはイソマグロのシーズンがはじまる。詳しくは月刊ダイバーのバックナンバー2007年7月号をチェックしてください。

杉森雄幸オフィシャルサイト
http://www2.tba.t-com.ne.jp/sugi-photo/


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