慶良間諸島渡嘉敷島 シーフレンド 番田武六さんからのレポート(2007/9)

慶良間諸島の中で一番面積の大きな渡嘉敷島。しかし人口は約700人と少なく、手付かずの自然が残っています。まだまだギラギラした太陽が照り付ける9月ですが、前半は南よりの風、後半は北よりの風が吹くことが多くなります。南北に約10km東西に約2kmの細長い島なので、この時期は日によって、北から南まで幅広くポイントを使用します。

北側のポイントで、ご紹介したいのが『イラブヤー』
『イラブヤー』は地形の楽しめるポイントです。島寄りの浅瀬はいりくんだ地形になっており、狭い水路、大きな洞窟があります。洞窟の奥まで進み、振り返るとそこにはキラキラと日差しを浴びた、真っ白な一本道ができています。
沖側には、ウミキノコが多く群生するソフトコーラル畑が広がります。この上をフワフワと泳いでいると、草原の上を飛んでいるように感じます。生物もキンチャクガ二やモンツキカエルウオ等のマクロ系生物が楽しめます。

南側のポイントでは『灯台下』
こちらは南側の地形の人気ポイント。天気の良い日にチョイスしたくなります。中には約50mのケーブがあり、天井部の隙間から差し込む日差しはまさに光のカーテン。青と藍、光と影が織成す幻想的な風景がたまりません!
生物は洞窟特有のアオギハゼ・ツバメタナバタウオ・リュウキュウハタンポなどが見られ、ウミウシ・甲殻類も豊富なポイントです。

 

珊瑚ポイントで紹介したいのが、『千代頭−ちよちぶる』
『千代頭』は世界的水質保全条約『ラムサール条約』の指定区域の中にあります。サンゴの種類が豊富で、それに伴って他の多くの生物が観察できます。毎年サンゴの一斉産卵の観察ポイントにも使っています。
特に浅瀬のサンゴは元気いっぱいで、若い小さなサンゴも多く目につきます。なんだか自分まで元気をもらっている気がします。昨年から調査開始をしましたリーフチェックを行ったのもこのポイントで、今年も11月23・24日に開催されます。

渡嘉敷島で外せないポイントは『海人−うみんちゅ』
ここは砂地のポイントで人口漁礁が沈められています。ここには日本で見られるクマノミの中でいちばん個体数の少ないトウアカクマノミが4カ所もついています。他に浅瀬の漁礁にはキンメモドキ、スカシテンジクダイがついており、それを狙ってカスミアジ・ナンヨウカイワリが来たりします。タテジマキンチャクダイ・ナンヨウハギの幼魚が可愛い姿を見せてくれたり、ハダカハオコゼ・アカククリ・ケラマハナダイ・フタイロハナゴイ等など、お魚いっぱいのポイントです。
『海人』のある渡嘉志久湾内には、アオウミガメが数匹定着しており、見られる確率も高いです。稀に2m級のバラクーダが入ってきたり、ロウニンアジ・マダラトビエイなどが入ってきたりすることもあり、大物も期待できます。
また北よりの風でも南よりの風でも影響する事が少なく、他のポイントと比べると通年潜りやすく、渡嘉敷島を代表するポイントの一つです。

地形・珊瑚・砂地とバリエーションに富んだ渡嘉敷島の海をぜひ、見に来てください。

シーフレンド
http://www.seafriend.jp/


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